木への敬意と愛

先日、会社に有馬孝禮先生から郵便物が届きました。

開くと有馬先生の本でした。

先生からの手紙には、私の父とは苗字が同じ「あ」から始まるので委員会ではいつも席が近く色々話した事、本は最近書いたものをまとめたものです、と書かれていました。

こんな私にも気遣ってくれて本当にありがたいことです。

そしてこの本はどうやら非売品のようです。

住木センターの機関紙「住宅と木材」で連載されている先生の記事は毎月楽しみにしておりますが、それらもまとめられてあり、そのほかにも初めて読むものもたくさんありました。

私のバイブルがまた増えました。

有馬先生は木材林業を専門にされていて林政審議会や様々な団体の理事なども歴任された著名な東大名誉教授です。

私は若い頃地域工務店の仕事についてモヤモヤしていた時期に、有馬先生の書かれた文章や講演を聴いて救われた思いをしました。

それから先生のファンで、2013年の林野庁事業で行われた「木材利用ポイント」という補助事業の横浜でのPRイベントでは同じ席で登壇させていただきディスカッションをさせていただいたのは今でも大切な思い出です。

先生の豊富な知識と深い見識から発せられる言葉には木への敬意と愛が込められております。

木造住宅を建てる事は街に第二の森を造ること、木材利用は直ぐに枯渇してしまう燃料より長く炭素固定をする建築用材としての利用が良いのだと教えていただき、私も普段からお客様にも話すようになりました。

いわきの工務店の和田さんから、有馬先生のお父さんは海軍の将校だったんだよ、と教えてもらい有馬正文少将の本をいただいてました。

翔鶴の艦長を務め、太平洋戦争末期には日本軍が特攻戦術を本格的に始める前に「若い人より年寄りから、先ずは上官が先立って実践すべし」と自ら戦闘機に乗りこみ最初の特攻を行った人でした。

有馬先生の穏やか雰囲気と、この本にある軍人としての強さと胆力が垣間見えるお父様とのギャップに驚かせられました。

1943年生まれの有馬先生の事も正文さんが会えぬ末息子を気がかりにしていた、とこの本の中に書かれているところがありました。

有馬先生にこの本の事を聞いた事がありましたが、先生は父親の記憶はなく著者がお姉様に取材をしていたと話されておりました。

そんなわけで私が勝手にお慕い申し上げている有馬先生ですが、この先も色々な御指導を賜りたいと思っております!