新春号座談会

先週の水曜日は夜の時間の公益社団法人日本住宅木材技術センターへ行っておりました。

機関誌「住宅と木材」の新春号の特集で記事となる座談会に、私はJBNの中大規模木造委員会委員長として出席いたしました。

写真は小久保理事長(右)と金子専務理事(左)です。昭和から平成にかけて木造と木材にまつわる変遷などが語られました。

座談会には東京大学名誉教授の有馬先生、構造の東京都市大学大橋先生、環境の東京大学恒次先生、材料の東京大学青木先生、防耐火のさくら設計集団安井先生、元建設省・国交省の木住協越海専務理事と錚々たる顔ぶれの中、行われました(汗)。

私のキャリアはその歴史の僅かの所なので私の視点だけでは語りきれません。それぞれの分野の代表としてということでしたので、私は父や祖父から聞いた話と同業の先輩方の話を思い出しながら木材を利用する大工・工務店としてお話をしました。

座談会という事でしたが、私が仕事を始める前からの出来事を皆さんの口から語られてとても勉強になりました。

今回初めて知ったのですが、住木センターの成り立ちは在来軸組木造が他の構造と格差がないようにするために整備された組織だったそうです。

ようは鉄骨やRC造とくらべて野放図だった木造軸組のレベルを上げるという事。うーん、私たちの業界は情けないことだったのですね。

そして今でこそ木造は高い環境性を背景にブームとなっておりますが、つい20年ほど前には世界的なシンポジウムでも木造は光合成をする樹木を伐採することがけしからん、燃やしたり腐食したりして廃棄するときにCO2を出してけしからんと言われ他の構造と比較して環境性を低く見られていました。

とある学者の提言からガラリと変わりそれに呼応するように世界中で木造の高い環境性が一般認識となっていきました。

それは時間軸を見直して光と水で炭素を吸着しながら自然に育ち、成長までの期間と利用期間を加味したサスティナビリティを評価したことでした。

その他にもネタバレ注意なので詳しくは伏せますが、普段あまり語られない心配な事や考えられている事など時間も遅めだったこともあって自由に語られとても興味深くきいておりました。

そして最後に有馬先生のお言葉は更なる探求心を掻き立てるお言葉でした。私は色々とお話したいと思いながらまとまらない話になってしまいました、、、。