化粧柱の番付振り

先週の土曜日は朝から現場で使う化粧柱の番付作業を行っておりました。

「化粧柱」は見え掛りに使う柱の事を言います。つまり、構造材と仕上げ材を兼ねている柱です。真壁の部屋に使うこととなります。見え掛りに使うのだから、できるだけ節が無かったり目立たないように使う事を心がけます。

節は枝のあった痕です。木は当然に枝葉を伸ばし成長していくのですが、適度な時期に枝打ちという枝を取り除く作業を行って節を覆いかぶさるように木が成長して、節の無い表面が作られていきます。また、節の無い面をどんどん削っていくと節が現れることもあります。

柱を一本一本見ながら、建物のどこの柱にどの向きで使うかを考える作業が「番付」です。山からの恵みを適材適所に使い分ける作業は木と対話しているようでとても楽しいものです。どの面も節が無ければどこにどう使ってもそれなりに仕上がりますが、コストは膨大に膨れ上がります。家の中の柱で床柱や和室、玄関、居間など部屋ごとの「格」を意識しながら、背割れの向き、木目や色の違い、窓や家具で隠れる・隠れないなど節の位置などを見ながらできるだけ綺麗に見えるように考えて決めていきます。

在庫で持っている化粧用の柱をどんどんと振り分けていきます。柱には製材所から予め化粧面(見え掛り面)の振り分けが書かれております。1面が節が無く綺麗で残りの3面が節が目立つものは「1面無節」、4面が節が無く綺麗ならば「4面無節」、1面が節が無く1面に小さな節がぽつりというものは「1面無節・1面上小(節)」といった具合です。2面でも隣接する2面に節が無い場合は「Γム(カネ無地」といった具合です。

今回は吉野桧を使いますが、製材所によって振り分けの精度や材料の表情が少し違いますので最後は選ぶ人の目で決めるのです。特に重要な部分は、私の好きな製材所の「泉岡商店」のものを使いました。購入する丸太が太いので赤身の多い柱がとれ、また製材所で予め付けている化粧面の振り分けが厳しく、一般的には「無節」が「上小節」だったりします。またポーチ柱などは赤身が多い方が耐久性も高いので最適ですね。

造り手の思いがお客様へ届く様に、私たちも裏でいっぱい汗をかいて頑張ります。