日刊木材新聞の新社屋見学!

先週の木曜日は、木場にある日刊木材新聞社の新社屋の完成見学会に参加を致しました。

日刊木材新聞は青木工務店でも定期購読しております。

基本的に材木屋さんなど木材関係者向け(木材分野では川上から川中)の新聞なので工務店(川下)の購読はあまりないと聞いておりましたが、木材市場の動向や記者の皆さんがそれぞれ野武士のような方ばかりで記事内容はいつも興味深くみております。

新社屋は日刊木材新聞創刊75周年事業として行われたものです。

創刊当時に今ほど木造を非住宅で使う機運が高まるとは予想していなかったのではないでしょうか。

最新の取組みを盛り込んだこの建物は実は6月に行われた構造見学会にも参加しておりましたがSNS等が不可だったので上げておりませんでした。

今回は晴れて許可になっているのでブログに取り上げております。

北西に道路がある角地の立地に立つ3階建ての建物です。

それぞれの延焼ラインを考えても有利な事がわかります。

そして昨年の法改正で新たに規定された準延焼防止建物という基準を使っているそうです。

簡単に言えば、外壁や開口部の耐火性能強化をすることで内部の木質化範囲が広げることができるようになります。

写真の方は設計者であるIKDSの池田先生です。

外観でも印象的なこの格子は、日本の伝統文化の一つである組子をイメージしたものという事です。

西日対策という課題に対して1年を通じた陽の入り方をシュミレーションして形状や大きさ、奥行きなど決定されたとの事です。

複雑な形で現場も大変だったのではないでしょうか。

この建物の現場監督さんは以前、日集協さんの委員会でご一緒させていただいた方で、構造見学会で久しぶりにご挨拶ができていました(笑)

建物には製材はもちろん、集成材、LVL、CLTと様々な木質材料が使われております。

3階の床はCLTで構成されており、100㎡超の空間を無柱で実現していました。

カーテンウォールの様になっているガラスのフレームの木部にCLTを吊る鉄材が埋め込まれており、それは小屋梁からつられているそうです。

もう想像しただけで驚異的な精度を要求される難工事ですね。

3階の会議室には立派なテーブルが。

北海道の神大楡(にれ)との事です。

丸太で購入したものを挽いたとのことですが素晴らしい木目でした。

梁材は印象的な形状の格子で囲われておりますが、吊り部分の揺れ止めという構造的な要素も備えているとの事です。

この部分は引いて見てみると立体的に葉っぱをイメージしたデザインになっています。

これはパソコンを使った3Dのレーザーと特殊ゴーグルで現場済出しをしなくても施工が出来るようにしたという事です。

汎用技術となったら現場で便利そうです。

構造はグルー工法(集成材内にスチールを挿入して接着剤で接合したもの)でその他の造りなど木造建築では特殊解の部類となりますが、最新の技術がてんこ盛りで大変勉強になりました。

為になる機会をいただき、関係者の皆様ありがとうございました!