セルフリノベにイケアハック(IKEA HACK)?

番匠木工に「イケアの『IKEAの大型ミラー・トフトビーンTOFTBYN』ミラーを引戸に改造したい」という少々変わったご相談が寄せられました。

川崎市のK邸は築45年のいわゆるビンテージマンションで「同タイプの住居は同様に洗面所に扉がない仕様」だそうです。

K様から「他の住民の参考になると思うので是非に」と許可を頂いたので、完成に至るまでのプロセスをご紹介したいと思います。

市販のドアと大型ミラーの合体を計画

  1. 来客時に気になるのと、冬場の早朝は冷えるので「洗面所の入口にドアを付けて欲しい」と家族から言われている
  2. 「洗面所の対面にIKEAのトフトビーン(TOFTBYN )という大型のミラーを立てかけているが、大きい分納まりが悪く圧迫感があるで何とかしたい」
  3. 「市販のドアにIKEAのミラーを取り付けられれば一石二鳥になる事を思いついたが、嵩張り過ぎるのと重量が耐えられるのか心配で躊躇している」

ご夫妻ともに青木工務店が施工した物件をご覧になっていて「フラッシュドアをイメージしている」との事。

番匠木工のフラッシュドアとIKEAの大型ミラー・トフトビーンTOFTBYN(75cmx165cm)をどのように組み合わせるのか?

IKEAの大型ミラー・トフトビーンTOFTBYNの再利用ついては「実物を詳しく診ての判断」という事でご了承頂き、今回はヒアリングと現状調査を兼ねてK邸をご訪問させて頂きました。

ご夫妻ともに「スクラップアンドビルド(scrap and build)より、既存のモノに手を入れて長く使い続ける方を好む」と日頃からSDGsを心がけていらっしゃるそうです。

リビングの壁にはフィルムカメラのコレクションや日本刀などが所狭しと展示されていて、古いものを大事にされているご様子が伺えました。

ご主人は「DIYしようと思っていたが、思うように時間が作れず、安全面で未知数な部分もあるので」とご自身でもDIYの構想を練っていたご様子でした。

セルフリノベーション

「素人のDIY好き」とご謙遜されていましたが、プロ仕様の電動工具を複数所有されていて、写真のリビングも元々は畳敷きの和室だったそうですが、奥様とお二人で床下収納付きの洋室にリノベーションされたそうです。

イケアハック?

「インターネットでIKEA製品を積極的にリメイクして利用する人たちが投稿するIKEAのファンサイト(ikeahackers.net)がある」

「海外の人でIKEAのミラーを使った引戸の事例がある」とパソコン画面でいくつかご紹介頂きました。

IKEAファンの間で「イケアハック」は普通の事らしいですが、K邸でもIKEAのキッチンカウンターを収納付きのダイニングテーブルに改造されていました。

完成イメージが掴めずDIYを断念

当初ご主人は、インターネットなどで紹介事例が多い「バーンドア※」というアメリカの納屋や倉庫で使われていたスタイルの引戸をイメージされていたそうですが、奥様は無骨な仕上げと遊びに来たお孫さんたちが手を挟んだら大変だからと難色を示していたそうです。※英語のbarn(納屋)の意味でスチールのレール・ローラーがむき出しになっているドアの事をbarn door(バーンドア)と言うそうです。

「IKEAのTOFTBYNは75㎝x165cmと大型で重量も約16㎏ある。厚さも50㎜なので嵩張り過ぎて市販のドアにそのまま貼り付ける訳にはいかず結局数年放置してしまった」「妻の同意を得られず制作に踏み切れなかった」と笑っていらっしゃいました。

「プロに委ねた方が良い」と番匠木工に期待されているようです。

アウトセット金具が取り付け可能かどうか壁面の構造をチェックし、IKEAのトフトビーンTOFTBYNは一旦お預かりをする事にして作業所に持ち帰りました。

次回は「IKEAのTOFTBYNを再利用した引戸の制作準備」をご紹介致します。

番匠木工では様々な建具や家具などを制作しています

>>>番匠木工の建具・造作例

「こんな収納が欲しい」「あったら便利だと思う」など、K様のようなご要望がありましたらお気軽にご相談下さい。