職人の呼吸が宿る、日本の「組子」技術

釘を一本も使わず、木だけで精密な幾何学模様を生み出す日本の伝統木工「組子(組子細工)」

細く割った木材に、溝や穴、ホゾといった複雑な加工を施し、カンナやノコギリ、ノミでほんのわずかに調整しながら、一本一本を組み上げていきます。

格子状に組んだ枠の中へ小さな木片をはめ込むことで、繊細な模様が立ち上がる。

まるで木のパーツが息を吹き返すように、形を変え、光を受け、表情をつくっていく。

この技術のルーツは、今から1400年前の飛鳥時代に遡ります。

悠久の時を超え、数えきれない職人たちの手によって磨かれ、受け継がれてきた。

伝統を守り続ける心、そして妥協を許さない情熱が今日の組子を支えています。

今回はお施主様のご要望で引戸に組子細工を施す事になりました。

ご提案させて頂いたデザインの中から、麻の葉と桜をモチーフにしたデザインをご採用頂きました。

完成しましたら改めてご紹介させて頂きます。

完璧な紋様を生み出すためには、木そのもののクセを読み取り、選び抜いた木を精密に加工できる高度な技術が求められます。

一本の木が持つ個性を理解し、それを最大限に生かす—。

古き良き技術でありながら現代の空間デザインにも溶け込み、静かに人々を魅了し続ける日本が誇る美の結晶。

お部屋のインテリアに組子細工を取り入れてみてはいかがでしょうか?