相模原市南区Y邸に納入させて頂いた幾何学模様が美しい組子引戸のご紹介。
この引戸に施された組子細工は、日本の伝統木工が持つ「用の美」を端的に物語っています。
細く均一に削り出された木片が、わずかな狂いもなく組み合わされ、連続する幾何学模様を描いています。
もう一つの魅力は「透け感」にあります。
完全に遮るのではなく、光や気配をやわらかく通すことで、空間と空間を緩やかにつなぐ。
昼は自然光が文様を浮かび上がらせ、夜は室内の灯りが影となって壁や床に落ちる。
時間帯によって表情を変える点も、組子細工ならではの魅力です。
さらに注目したいのは、周囲の無垢材との調和。
主張しすぎない木目と温かな色合いが、組子の繊細さを引き立て、和モダンな空間に自然と溶け込んでいます。
装飾でありながら、決して華美にならない。
その控えめさこそ、日本の美意識の核心といえるでしょう。
この一枚の引戸は、単なる建具ではありません。
暮らしの中に職人の技と時間を取り込み、日常を少し豊かにしてくれる存在。
それが、組子細工の素晴らしさなのです。
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