昨年計画していながらも全国的な緊急事態宣言で断念していた紫波町のオガールにようやく訪れることができました。
紫波町はPWAの代表理事、稲山先生が自ら構造設計に携わられた「オガールプラザ」をコスパの良い事例として取り上げられており、一昨年のとあるセミナーでも紫波町役場の方のお話を聞く機会があり行ってみたい場所でした。
延床面積1,000平米ごとに耐火帯となるRC造の建物を挟んだ計画で木造化がなされています。
オガールは4つの施設エリアに分けられた地方再生の成功例として知られているプロジェクトです。
駅の誘致に始まり分散されていた公共施設の集約と新たな住宅地の整備などが官民連携で進められています。
訪問日は休館日だったので残念ながらあまり建物内に入れませんでしたが、買い物が出来るマルシェの吹き抜け空間は長弦トラスがチラリと見えますね。
こうして利用者が当たり前に木造建物を意識せず利用する事ができる社会を実現していきたいです。
こちらは築11年目の町役場です。
この建物も耐火帯を挟んで木造化をしている計画ですね。
外壁の板張りが色褪せ始めてこれからまだらになりますが(この期間が1番汚く見える)その後にようやく風格が出てきます(と、私は思います!)。
こちらは開所日だったので一階ロビーに少しだけ入りましたが、良い意味で木造建物を押し出しておらず良い感じでした!
駅の東側、日詰エリアにも立ち寄りました。
もともとの市街区は他の地方都市と同様に衰退していくところを発展の両輪とリノベーションによる緩やかな再開発が掲げられておりましたがなかなか思うように進んでいないようでした。
写真は移転前の町役場のあった場所で木造の建物は1898年に建てられたと言われる旧紫波宮役場で1960年まで紫波町役場として使われていた建物です。
この隣に鉄筋コンクリート構造の旧町役場があったのですが、町役場はオガール側に移転し残った建物の再利用が行われていましたがうまく行かなかったようで最近解体されました。
再利用計画うんぬんの詳しいことは承知をしておりませんが、後から建てられたRC造の建物が解体され、築100年をゆうに超える木造建物が保存活動を経て県の文化財に指定され残っている様は一般的な木造建築の概念に照らし合わせてもっと知っていただきたいものだと思いました。