土曜日は毎年恒例の森林見学バスツアーを開催しました。主催は全木協神奈川県協会で、私は部会長として皆様をアテンドしました。
先ずは青木工務店設計施工の神奈川県産木材をふんだんに使用している瀬谷区U邸の現場見学です。U邸は地域型住宅グリーン化事業の補助金が予定されている認定長期優良住宅です。
ガッチリとした構造と最新の技術をちりばめた現場をしっかりと見学していただきました。耐震等級3(基準の1.5倍)に加えて、返信率も0.1以内に調整し、梁一本一本の許容応力度計算をしっかりとおこなっております。
室内も省令準耐火構造となっているので火災保険料も大幅に割引となります!
恵まれた環境の建物なのですが、更に快適に感じることができるように窓配置の工夫などもお伝えしました。断熱気密が高くなると室内空間を繋げることで温熱環境をあまり気にしなくなるので有利です。また、構造としての壁と間仕切り壁の配置もメリハリを利かせることによって将来の建物の可変性の担保となります。
続いて厚木市七沢の材木屋さん、市川屋にプレカット工場見学です。市川社長、弟でプレカットの責任者の市川常務が説明してくれました。毎年お世話になっております。今年もありがとうございます。
会社近くの駐車場には、箱根神社の境内に立っていた樹齢400年の杉材もありました。昼なお暗きスギの並木♫の一本と考えると感慨深いですね。行く先は決まっていないということですので、ご興味がある方は是非どうぞ!!
みなさん初めてのプレカット工場見学で興味深く説明に耳を傾けておりました。現在はプレカットがとても忙しいので機械も絶え間なく動いておりました。
続いて相模原市緑区の美女木温泉近くの伐採地に移動です。有限会社相馬造林の相馬社長の案内で、実際に間伐材を切り倒すデモンストレーションを見学です。林業関係者は若返りが進んでいて、専門の学校を卒業した方々が職について働いております。
併せて神奈川県森林再生課の長井さんに、神奈川県の森林再生への取組みと環境保全と木の関係など御説明いただきました。森林保全と環境とのつながり、そして神奈川県の水源保全の税金の使い道など普段の生活と結びつくことになったと思います。
参加者みなさんが杉と桧の違いもしっかりと御理解いただけました。こちらは葉っぱの違いです。左が桧、右が杉です。その他にも樹皮での違い、断面の色合いの違いなどでも識別できるようになりました。
実際に切り倒す作業です。普段は半日で30本ほどのペースで切り倒しているそうです。間伐材なので小径木でしたが、倒れた時の迫力はそれなりにあるのでみなさん驚かれておりました
最後は津久井の製材所に訪れました。原木市場から運び込まれた丸太がごろごろと横たわっておりました。
木を製材する様子を見て、どの様な用途の材料になるのか、みなさん想像しながら見学されていました。この日は土留めに使う矢板が作られていたので厚さと幅でガンガン製材されておりました。
建築用材だけではなく、土木用材、ラミナ、チップ燃料など木材はゼロエミッションを実現する優れた材料でもあります。
木材の川上から川下まで駆け足に巡るツアーとなりました。参加者の皆さんお疲れ様でした。これからはもっと身近に木材の事を感じていただけたら嬉しいです!