先週の土曜日は、日本初の木造3階建準耐火構造の小学校といわれている、富山県魚津市立星の杜小学校の見学会に参加いたしました。
燃やし系設計事務所・コンサルタントの安井さんのFBから情報を得ました。
これまでは耐火構造を求められていた分野が法改正で準耐火でも可能となり、また延床面積が3000㎡を超えるので耐火建築物を挟むことで面積もクリアしています。
写真の白い部分が耐火構造建築物の部分です。
南側の教室部分が3階建の計画です。
外壁は1階が下見板張り、2階以上がガルバリウム鋼板との事です。
板張り部分は塗装メンテナンスを考えて1階との事ですが、延焼距離も考えてかもしれません。
小学校の木育の一環で毎年同じ学年の授業に外壁板の塗装を組み入れたら毎年のメンテナンスができるなぁと想像しました。
一部高いところは重力換気を狙ったそうです。
星の杜小学校は3つの小学校が統合された小学校です。
廃校となったそれぞれの小学校の事が展示されております。
新しい小学校は先生や生徒からはもちろん、近隣の方々からもヒアリングを重ねてゾーニングから見直されました。
既存は体育館のみで、職員室からの管理もしやすくなり、広くなったグランドは100mを直接で確保出来る様になったそうです。
中心となった設計監理者である東畑建築事務所の久保さんより建物や建築の進め方等のご紹介をいただきました。
こちらは防火関連と構造関連を監修した桜設計集団の安井さん。マイクの調子が悪く話しづらそうでした笑笑
建物内は構造躯体の現しよりも、内装制限のかからない床や腰壁、建具の木質化で木造感は充分に出ております。
採光や排煙で天井から下り壁なく開口部設置はセオリー通り。
昇降口の吹抜けは星の杜をイメージしたと思われる丸いペンダントライトが様々な大きさと高さで配されておりました。
2階建部の2階は燃え代計算を考慮した集成材が現しで使われておりました。
この日は魚津市でも1番寒い日でしたが暖かく快適な空間でした。
こちらは3階建部の3階、教室の部分です。
こちらは内装制限がかかりながら木の表面積の制限内で現しにしたものの思います。
このような校舎で私も子供達を学ばせてあげたいです!
構造材はほぼ魚津市産の杉との事です。
富山県はもともと輸入木材の港で地域材に関わる産業が衰退して久しい中で野心的な取り組みと言えます。また、積雪量からも杉で良く頑張ったと驚愕しました。
柱や梁は供給や乾燥の観点か、製材を束ねて合わせ梁や合わせ柱としていました。また地域材ラミナで集成材も使われていました。
床の一部に木でデザインしたパネルも組み入れられていました。可愛らしさと木育も兼ねて素敵です。
図書室に組み入れられている大階段はライブラリースペースとしてこちらで座りながら本を読む事が出来ます。
壁には建設廃材の杉の正角がパネル化されています。
子供達が彫った跡もありますね
子供向けに土壁施工のワークショップも行われていました。
色の違う土壁は、廃校となった小学校それぞれの土が使われているそうです。素晴らしい取り組みです。
防火部分を出来るだけ開口しないで安全性を確保する為、天井エアコンは露出タイプにしたり、照明も天井付にしたりと出来るだけ埋め込まない配慮をしていました。
ファスナーのYKK創業者の吉田忠雄さんは廃校となった小学校の一つの出身者との事でこの小学校建設にあたりYKKさんから援助もあったとの事です。
小学校の一部に記念スペースが作られておりました。
校庭には懐かしの二宮金次郎像がありました。
二宮金次郎さんは耐震や防耐火に配慮された新しい木造小学校をどう見ているでしょう。
安心して学べる校舎が出来たと、きっと喜んでくれていると思います!