先週水曜日は平成30年度第3回目のJBN中大規模委員会でした。今回は2現場の視察です。午前中は6月にも訪れておりました群馬県片品村の片品中学校の再度訪れました。
1000㎡の建物が3棟で構成された平屋の木造学校。最後の昇降口のある建物も上棟し追い込み作業中でした。
前回視察していた棟も内装仕上げが終わり、器具付等の作業に入っております。
内装制限のかからない部分で腰板で杉の羽目板が使われております。
傷が付きやすいので廊下の床作業が残されておりました。ラバーバックの桧集成のフローリング材が使われます。材料が間配りされておりました。
一番手前の最後に上棟した棟です。
中断面集成材は梁成が450㎜でしょうか。振れ止めの梁が本当に小さくみえてしまいますね(笑)
場所を変えて、本日本命の栃木県鹿沼市にある粟野小学校を訪れました。
林野庁の資料に掲載されていて、私から見て是非視察したいと思っていたのが実現しました。林野庁の宮脇さん、アシストありがとうございました。
小学校の玄関には、私たち向けのウェルカムボードが作られておりました。心の温まるおもてなしに感謝申し上げます。
視察の最中でも生徒さんたちが元気に挨拶してくれ、なんと気持ちの良い学校なのでしょう。
運用開始から3年経過しておりますが、とてもきれいに使われております。そして木の香りに満ちた校舎は学びの場として相応しいなと改めて感じます。
木造だから、まだ新しいからと生徒さんたちも大切にされているとお話を伺いました。
平行弦トラスをだんだんに構成して屋根形状を構築している場所です。建具もアウトセット納まりが基本で、構造計画と実施設計と分離して進めやすくする工夫ではないかと推察しました。それにしても気持ちの良い空間です!
木材は全て地域の材料を使われております。伐採から製材、乾燥まで鹿沼市内で行ったそうです。材料はJAS材とすることができないので構造は壁量規定を満たすことでJAS材利用を避けられるようにしていました。
たすき掛け筋交いの交差部分に着く帯金物は潔く露出されておりました。
アフターメンテナンスの容易性とコストの合理化でそうしたそうです。一方で金物の角は全て丁寧に削られ子供たちがけがをしないような配慮がされておりました。
他にも金物などが後で増し締めできるようにつくられていたり、外部も雨掛り部分には鉄板を使うなど多くの工夫が見られました。
そして体育館も木造でした。
複雑なようですが全て直材で平角の台風柱以外は比較的小さな断面で構成された木材で造られておりました。
机ももちろん県産木材が使われておりました。これならば勉強がはかどりそうです。
県主導でこのような家具を使う活動が活発的に行われているそうです。すばらしいですね。
こちらが建物のシンボルである多目的階段ホールです。思い思いの場所で本を読んだり、おしゃべりをしたりと休み時間は自然と子供たちの集まる場所になっているそうです。
写真の通り、生徒全員も集まることができるそうですよ。
市外からの音楽イベントなども行われたそうです。
ご対応いただいた、鹿沼市教育委員会の湯澤さんと黒子さんと記念撮影をさせていただきました。
木材利用促進法にしっかりと対応している鹿沼市の職員の皆さん。そして地域の材と人をしっかりと結びつける市役所本来の職務を熱意を込めて実行されている姿に私も頭の下がる思いと胸が熱くなりました。お忙しい中の視察のご対応、誠にありがとうございました!