年輪を見てわかる事

顔にはその人の生きてきた人生が年輪の様に現れる、など表現されることがありますが、実際に本物の木の年輪を見ると本当に見えてきます。

上の写真は優等生の杉材の年輪です。

ほぼ中心に向かって年輪が重なり、年輪の幅も細かく強度もありそうです。

中心に向かって年輪幅が大きいのはなぜだかわかりますか?幼木のときに堅いと風で折れやすくなってしまう為、しなやかにするためだと考えられます。

こちらは桧の年輪です。

赤く囲った部分は小枝があった場所です。

途中で枯れてその後それを包み込むように年輪を重ねていった事がわかります。

表面を削っていけばいずれ顔を出すことになります。

これも桧の丸太です。

枝が生きた板部分から枯れていくのがわかります。

年輪を数えれば何年前に枝が枯れたのかもわかりますね。

表面から削ると死節から生節に変わっていく事になります。

これは中が空洞になった木材です。

おそらく桧でしょう。

樹形も歪んでいたので相当過酷な場所に生えていたのだと思います。

こうなっても木は枯れません。

となりのトトロでトトロが最初に現れた場面を思い出してみてください。

木の中の空洞の中にいました。木は年輪の表側が生きていて中の方がどうなっても大丈夫なのです。

とはいえ折れやすくなるので注意が必要です。

こちらはアカネトラカミキリという害虫に食害された丸太です。

枯れた枝から春先に入っていくので枝の付近に現れます。

これは桧なので食害部分の変色は極端にみられませんが、杉材の場合には目立つこともあります。

その様な材料をトビクサレといいます。

しかし強度試験をしていても強度低下は見られないのです。

どうでしょうか。

年輪を見るだけでも色々な事が知れたり想像できて楽しいですよね。