今週は火曜日より2日間、JBN中大規模木造委員会にて北海道へ視察に行っておりました。
暑い関東を離れ、北海道はすっかり秋の気候。
地元の工務店さんからは北海道もようやく過ごしやすくなったと例年よりも秋の訪れが遅かったと話されておりました。
写真は旭川空港上空です。
最初に訪れたのは、私が希望していた当麻町役場です。
旭川の近くの人口6千人ほどの街です。
木造ロ準耐火1号で建築された庁舎で様々な賞を受けています。
JBN中大規模木造委員会で開発している木造ロ準耐火1号金物や設計施工マニュアルの完成にあたり実例としての参考に考えていました。
受入をしてくださった当麻町役場からこのようにレジュメやお茶までご用意いただきました。
ありがとうございました。
外部からの視察は毎週の様にあり受入されているそうです。
委員会メンバーの他、地元連携団体である北海道ビルダーズネットワークの皆さんも集まりました。
建築部門と総務部門の方から庁舎建替えの経緯や経過をご説明いただきました。
私も質問をしてお答えいただいたのは、当麻町木材を100%となる庁舎の前には、町営住宅の木造化を進めていた事で木造化への気運を醸造されていた事。
そしてその前には当時の町長が自らの自宅建築の際に出どころのわからない木材が使われていた事に違和感を感じて当麻町の整備に地元木材を利用していた事でした。
地方自治体はリーダーの方針で大きく変わること、当麻町もやはりそうでした。
今回の視察には、構造設計者の山脇さんも札幌からお越しくださりご説明いただきました。
日建設計で構造部長まで務められ独立した方です。
見学前にポイントを解説していただいたので助かりました。
床材のカバも地元の木材でした。
適度な硬さと柔らかさで味わい深いです。
建具の楢材なども地元の木材。
この様な広葉樹も地元で揃えられるのは北海道ですね。
議会開催中でしたが、終わった直後に議会場を見学させていただきました。
ハイサイドからの光が降り注ぐ気持ち良い議会場は前向きな議論が展開されそうですね。
積雪エリアでこの大空間。
地元の木材の特徴で4寸の正角を駆使した小屋組です。
漆喰の壁も地域の繋がりで採用されています。
複雑なようで実は加工しやすくしているのも山脇さんの凄いセンスだと思いました。
暴れやすいカラマツの特徴をよく考えられています。
基本的に木造大工さんの加工で対応しているので、プロジェクトの大部分は地元に還元されているのも素晴らしいところです。
こちらは執務室です。ワンフロアに集約されています。
2間(3.64m)グリッドで柱が入り1.5階レベルの天井空間を有しています。
得られる木材の寸法から考えられた空間です。
水平力は通路部の筋交ブレースで伝えられていました。
足りないところにCLTなども使われてているそうです。
右には町民の対応が行われるカウンター。
木質感溢れる居心地の良い庁舎でした。
念願が叶い、大満足の視察でした。
皆様ありがとうございました!