JBN中大規模木造WG・鶴岡市視察②

視察2日目は、鶴岡市内でも積雪量2.5mを超える豪雪地帯に立つ朝日中学校を訪れました。

鶴岡市産材を中心に建てられた、鶴岡市の設計で本格的な大型木造公共建築となった建物です。

現場担当だった若き女性技官の後藤さんに現場説明をしていただけました。

施工における仮設計画から、墨付け刻みまでの場所確保など、一般的には施工者に丸投げされてしまうような部分まで市の職員がしっかりと想定して、除雪機の格納倉庫などの利用提供をしたエピソードなども教えてもらえました。WGのメンバーも感心しきりでした。

建物の構造や耐震だけでなく、積雪への耐荷重が一番大変だったようです。神奈川県で建てるよりも構造は大分ゴツイ形となります。一方で金物をできるだけ隠すようなディティールに配慮したと説明がありました。登り梁を支え重ねた材は隠しダボが入っているそうです。材料を縫っているボルトはせん断を負担していないとのこと。だから細めで良いのですね。

柱は1階から2階まで伸びた平角で造られております。この材料を山から探して集めたと聞きました。

体育館はシェルターさんの大断面集成材工法。

トップライトは雪割を兼ねての形状で、屋根は自然落雪で過重負担を減らしたということです。まさに雪との戦いですね。

続いて隣町で16年前に建てられた東郷小学校です。前回も訪れましたが、今回は現場の棟梁の剱持さん自ら説明してくださいました。伝統工法の一つである貫構法と曲り材の力強い軸組が意匠として玄関の正面に活かされております。

建物は平屋で、中庭を囲うように校舎が構成されております。教室では生徒さんが授業をしておりました。

梁材は木肌や節の様子から地松と思っておりましたが、杉材ということです。ちょっとびっくりですが、産地から言えば松は難しいと思っておりました。

どうですか、木造の小学校。このような学校に子供たちを通わせたいと思いませんか。

この学校を目当てに引っ越してくるご家庭もあるとききました。生徒さんも少しずつですが増えているそうです!

素晴らしい風景です。前の日の積雪で初冠雪となった鳥海山。

地域ごとの特性は気候と地形と景色、そしてそこで暮らす人々の気質によるのだと思います。山形県の人たちはいつも温かく迎えてくださると感じております。

全建総連の重役である、地元の三浦さんには3月に続いて今回も段取りや調整に大変お世話になりました。そして今月の住生活月間では国交大臣表彰を受賞されたそうです。おめでとうございます!