JBN中大規模木造WG・鶴岡市視察①

先週は水曜日から1泊で2日間、山形県鶴岡市に行っておりました。JBN全国工務店協会の国産材委員会中大規模木造WGの視察です。

3月も全建総連さんの視察に私も同行させておりましたが、JBNのWGでも鶴岡市の取組はメンバーに見てもらいたいと思ってプログラムに入れておりました。

まずは一部の床構造にCLTを使用した羽黒高校です。前回は工事中でしたが、すでに開校して生徒さん達が使われております。

木造建築の面積制限で2つのRC構造の階段ホールで区画。木造3階建の校舎となっております。

一部の梁が表しにして使用されていたり、このように地元の杉材でルーバーをしたりと木造らしい温かみも感じられます。

こちらは構造接合部のモデル。地元の鶴岡産の杉材を中心に、唐松など国産材で構造をまとめた大断面集成材工法です。接合部は樹脂で固めています。

この様な大断面集成材の工法は沢山あるので、在来工法のZマーク金物のようになっていくと取り組む工務店や大工にはもちろん、業界全体も有り難いです。これからの課題ですね。

CLTを床構造に使っているのが、この食堂です。

木材の製材を幅で張り合わせたり互い違いに重ねたりして接着剤で固めたものがCLT。隙間はないので配線などは露出にするか穴を開けて隠すことになります。こちらでは潔く露出配線でした。

今の学校は食堂でも食事の時間外に教室として勉強する形を取っていることもあるのですね。

続いて鶴岡市役所羽黒庁舎です。鶴岡市産の間伐材の利用で躯体のフレームに多く使用した建築です。結局その多くは窓から見える筋交いと柱となりました。

庁舎の中はこのようになっております。
柱や梁が表しに使用されていますので木造とわかりますが、庁舎からの香りや歩いて見るとなんとも言えないしなりや撓みがより木造らしさを感じます。

玄関正面の目立つ位置にはシンボルとなる柱です。

こちらでは市役所建築課長の村上さんから取り組みについて説明を受けました。

日本で最先端を行く鶴岡の地域産材の木造建築の取組は市長のトップダウン、市役所職員の地域に対する熱い思いと技官を育てていた体制、地域企業と職人の確かな実績と信頼関係などので十数年の成果なのだと改めて思い知らされました。またコンスタントに木造プロジェクトを行っている事も忘れてはなりません。

こちらは木造ではありませんが、今年の8月に竣工したばかりの荘銀タクト鶴岡、市の文化ホールとなります。伸びやかで折り重なった屋根は鶴をイメージしているのでしょうか。

模型でも複雑な形状であることがわかります。こりゃ大変な工事だったでしょう、、、。

玄関ホールから公共建築とは思えない見事な建物です。地元の鶴岡産材の杉が天井のルーバーなどに使われております。

床は固化剤を混ぜたコンクリートを磨いて仕上げたものとのことです。コンクリートなのに大理石の様な不思議な床でした。

こちらはメインの音楽ホールです。1200名程の収容キャパがあります。

座席配置も独特で、棚田の風景ですね。

ステージから見るとその様子がよりわかります。

鶴岡の取り組みはまだまだ発展していました。