ヒノキの端材でスウェーデントーチ!

先日の八ヶ岳研修会の影響を受け、作業場で転がっている桧の柱の端材でスウェーデントーチを作ってみました。

プレカットの時代になったとはいえ、現場ではゴロゴロと出やすい材料です。

実際に作ってみてどの様に燃えるのか、実験です。

スリットの幅はチェーンソーで1回歯を入れたもの2つと数回歯を入れて幅を広めにしたものを1つ用意しました。

スリット幅の大きなものは最大の空気量を入れるために底にも穴を開けて通気口を設けています。

空気量と火力、燃焼時間との相関関係が実際どうなのかを知りたいです。

スリット幅の狭いものは片方だけ底に穴を開けてみました。

穴の径はΦ12のドリルです。

設置についても穴を開けた試験体はインターロッキングの隙間部分に穴が来るように置いて、出来るだけ空気が入りやすいようにしました。

着火には100円ショップで購入した着火剤をスリットに挟んでみます。

便利です。

スリット幅の狭い方は着火剤の厚みが厚く入らなかったので着火材を割いてスリットに挿入しました。

バーナートーチで炙っていよいよ実験スタート。

スリット幅の広い方はそのまま着火剤の厚さが入り、火を入れただけで安定燃焼に移行しスウェーデントーチとなりましたが、狭いほうの2つは底の穴の有無に関係なく着火剤だけでは安定燃焼とならず、結局何度もバーナートーチで熱を加えて安定燃焼となりました。

こうなれば安定燃焼となりもう大丈夫です。

燃焼の3つの要素、「可燃物」「酸素」「熱」のうち「可燃物」はもちろん木材、「酸素」は空気量でスリットと底の穴から量を調整、「熱」は4つの区画のそれぞれがお互いに与え続けて安定燃焼のスウェーデントーチとなります。

調理器具としての性能の確認するために自宅からやかんを持ってきました。

1リットルの水を入れてスウェーデントーチに載せてみます。

上部にやかんが乗る事で上部は蓋のようになるので燃焼に必要な空気量に心配もありましたが、スリット幅が狭くても消えることなく最後まで安定燃焼が続きました。

結局お湯に沸きあがるために25分の時間がかかりました。

燃焼後の状態です。燃え進みスリットの幅が大きくなることで3要素のうち「熱」が不足となっていき燃焼が止まります。

一番右はスリットの幅の大きな試験体でしたが、一番早く安定燃焼となりましたが一番早く燃焼が止まり(1時間ほど)、一番多く木部が残りました。

スリットの幅の狭い方は2時間以上燃え続けました。底の穴の有無はこのスリットの幅ではあまり関係が無いようです。

木材は環境に良いだけでなく、こうして燃料や調理器具にもなります。本当に素晴らしい素材です。

この形式のスウェーデントーチは災害時の調理にも役に立ちそうですね。

ただし、実験に使ったやかんは木材燃焼でそこにタールがべっとりと着いてしまったので家庭用には使えなくなりました、、、、(笑)